25. graphics ライブラリ

graphics ライブラリはポータブルな描画プリミティブを提供します。 Graphics.open_graph を呼び出すと別ウィンドウを作成し、描画はそのウィンドウ内で行われます。

[注記]Unix

このライブラリは X11 ウィンドウシステム下で実装されています。 graphics ライブラリを使用するプログラムは以下のようにリンクして下さい。

ocamlc other options graphics.cma other files
    

graphics ライブラリを対話式システムで使うには以下のようにしてください。

ocamlmktop -o mytop graphics.cma
./mytop
    

または、(C ライブラリの動的リンクがサポートされているプラットフォームでは) ocaml を実行して #load "graphics.cma";; とすることもできます。

このライブラリの X11 実装で Graphics.open_graph がサポートするグラフィックモード指定方法は、"display-name geometry" という形式です。 display-name は接続する X Window ディスプレイの名前で、geometry は X Window 標準のジオメトリ指定です。この 2 つを 1 つのスペースを挟んで連結します。これらの両方または一方を省略することができます。以下に例を示します。

Graphics.open_graph "foo:0"

ディスプレイ foo:0 に接続して、デフォルトジオメトリのウィンドウを作成します。

Graphics.open_graph "foo:0 300x100+50-0"

ディスプレイ foo:0 に接続して、横 300 ピクセル、縦 100 ピクセルのウィンドウを (50, 0) の位置に作成します。

Graphics.open_graph " 300x100+50-0"

デフォルトディスプレイに接続して、横 300 ピクセル、縦 100 ピクセルのウィンドウを (50, 0) の位置に作成します。

Graphics.open_graph ""

デフォルトディスプレイに接続して、デフォルトジオメトリのウィンドウを作成します。

[注記]Windows

このライブラリはコンパイル済みスタンドアロンプログラムでもトップレベルアプリケーション ocamlwin.exe でも使用可能です。後者の場合、以下のようにしてロードして下さい。

#load "graphics.cma";;

画面座標は以下の図のように解釈されます。 数学における座標系と同じであることに注意して下さい。 y は画面下から画面上に向かって大きくなります。 角度の単位は度で、反時計回りに計ります。 描画は画面に対してクリッピングされます。