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6.6 Patterns

pattern	::=	value-name
	|	_
	|	constant
	|	pattern as  value-name
	|	( pattern )
	|	( pattern :  typexpr )
	|	pattern |  pattern
	|	ncconstr  pattern
	|	`tag-name  pattern
	|	#typeconstr-name
	|	pattern  { , pattern }
	|	{ field =  pattern  { ; field =  pattern } }
	|	[ pattern  { ; pattern } ]
	|	pattern ::  pattern
	|	[| pattern  { ; pattern } |]

下の表は、閉じてないパターン構築の場合の演算子の結合法則と優先順位を示しています。 優先度が高いものが先に来ます。

Operator	Associativity
Constructor application	--
::	右
,	--
|	左
as	--

パターンは、与えられた形のデータ構造を選択し、データ構造の 要素の識別子として束縛されます。この選択操作をパターンマッチング と呼びます。つまり、「この値は、このパターンにはマッチしない」 か、「この値はこのパターンにマッチするから、その値に ある名前を束縛させる」ということになります。

Variable patterns

変数名を値として持つパターンは全ての値にマッチし、その値にその名前を束縛します。 パターン _ も全ての値にマッチしますが、 束縛はされません。

パターンは線形です。すなわち、変数はパターンに何度も表れることは 出来ません。実際、パターンのみを使ってデータ構造間の同等性を示すことは 出来ません。(when をこの目的に 使ってください。)

Constant patterns

定数からなるパターンは、値がこの定数に等しいときにマッチします。

Alias patterns

パターン pattern₁ as  value-name は、pattern₁ と同じ値であるときマッチします。 pattern₁ に対するマッチングが成功した場合、 pattern₁ に対するマッチングによる束縛に加えて、 名前 name にもマッチした値が束縛されます。

括弧つきのパターン

パターン ( pattern₁ ) は、 pattern₁ と同じ値にマッチします。 括弧つきのパターンには、 ( pattern₁ :  typexpr ) の様に型制約をつける事が出来ます。 この型制約は pattern₁ が type と互換性があることを強制します。

``Or'' パターン

パターン pattern₁ |  pattern₂ は、二つのパターン pattern₁ と pattern₂ の論理和を表します。 値が、 pattern₁ |  pattern₂ にマッチするとは、 pattern₁ にマッチするか、 pattern₂ にマッチすることを言います。 二つのサブパターン pattern₁ と pattern₂ は、同じ型を持つ値を示す、全く同じ識別子に束縛しなければなりません。 ``or'' パターンに対するマッチングによる束縛は、 まず pattern₁ によるマッチングによって束縛されるか、 pattern₂ によるマッチングによって束縛されるかのどちらかです。 両方が成功した場合は、どちらの束縛が選択されるかは未定義です。

Variant patterns

パターン ncconstr  pattern₁ は、 コンストラクタが ncconstr で、引数が pattern₁ である全てのバリアントにマッチします。

パターンpattern₁ ::  pattern₂ は、空リストでなく、head が pattern₁ で、tail が pattern₂ であるものにマッチします。 このパターンは、 ( :: ) ( pattern₁ ,  pattern₂ ) の様に動作します。

パターン [ pattern₁ ; ... ;  pattern_n ] は、リストの長さが n であり、その要素がそれぞれ pattern₁ ...pattern_n にマッチするものにマッチします。 このパターンは、 pattern₁ :: ... ::  pattern_n :: [] の様に動作します。

Polymorphic variant patterns

パターン `tag-name pattern₁ は、タグが tag-name で、その引数が pattern₁ にマッチする全てのポリモーフィックバリアントにマッチします。

Variant abbreviation patterns

もし [('a,'b,...)] typeconstr = [`tag<sub>1</sub>  t<sub>1</sub> | ... | `tag_n  t_n] が定義されていれば、パターン #typeconstr を、 or パターン (`tag<sub>1</sub>(_ : t<sub>1</sub>) | ... | `tag_n(_ :  t_n)) の略記として使えます。これは、型 #typeconstr の全ての値にマッチします。

Tuple patterns

パターン pattern₁ , ... ,  pattern_n は、n 個のタプルで、要素が pattern₁ から pattern_n にマッチするものにマッチします。 すなわち、このパターンは、タプル (v₁, ...,  v_n) で、 pattern_i が v_i にマッチするもの (i = 1,... , n) にマッチします。

Record patterns

パターン { field₁ =  pattern₁ ; ... ;  field_n =  pattern_n } は、少なくともフィールド field₁ から field_n が定義されたレコードで、 field_i に関連付けられた値が pattern_i にマッチするもの (for i = 1,... , n) にマッチします。 レコードは、 field₁ ...field_n 以上のフィールドを持っていても構いませんが、そのほかのフィールドに関連付けられた値は、マッチングには考慮されません。

Array patterns

パターン [| pattern₁ ; ... ;  pattern_n |] は、長さ n の配列で、i 番目の要素が pattern_i にマッチするもの (for i = 1,... , n) にマッチします。

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